【2023年11月現在メーカー品切れ中】
1/9フルディテールキット
【VINCENT Late Type について】
元戦闘機パイロットであり、エンジニアでもあったイギリス人レーサー、ハワード・R・デイビスは高性能なレーシング&スポーツバイクを世に送り出すべく1924年にオートバイメーカーHRDを設立します。そこで作られたバイクはレースで活躍しその性能を世に知らしめましたが、一方で会社は経営難に陥ります。デイビスは会社を売却し、ケンブリッジ大学工学部を卒業したばかり、若干20歳の若きエンジニアであったフィル・ヴィンセントが買い取り、1928年、”The Vincent HRD Company Ltd”が誕生します。そこで彼が理想とするレーシング&スポーツバイクを数多く生産していくこととなります。その後、新たに加わったエンジニア、フィル・アービングがエンジン設計に携わるようになり、1936年には時速100マイル(160km/h)を可能にした988cc50度Vツインエンジンの”シリーズAラパイド”が発売され、”最速スポーツバイク”の称号を得ることとなります。
第二次大戦の混乱期を経てスポーツバイク生産に復帰したヴィンセントは、1947年、シリーズBへとバージョンアップしたラパイドのカム、ピストン、キャブレターなどを強化した仕様のマシンを登場させます。ラパイドとほぼ同じ外観でありながら、黒く塗装されたエンジンが搭載されたこのモデルは「ブラックシャドウ」という名を冠することになります。ブラックシャドウは最高速120マイル(200km/h)を記録するハイパフォーマンスを誇り、”ヴィンセント”の名はその高性能さと高級感から当時のスポーツバイクの最高峰として位置づけられていくことになるのです。
このブラックシャドウを頂点とするヴィンセント社のモータサイクルラインナップは、シリーズBからCへとマイナーチェンジが行われます。エンジンをはじめ車体の基本構成は同じでしたが、フロントサスペンションが他社製ガーターフォークから自社製ガードローリックフォークに変更され、外観上の大きな違いとなっています。この新設計のフロントフォークはガーターフォークの構造を基本としながらダンパーには従来のフリクション式に代わり油圧式が装着された、従来にない独創的なものでした。このシリーズCのもう一つ大きな変更点として創業者の頭文字であるH.R.D.のロゴが正式に社名から消滅することとなり、それに合わせてタンクその他各部のエンブレムもH.R.D.からVINCENTのロゴとなった点です。この後期タイプ”シリーズC”を1/9スケールでフルディテールキット化しました。
【キット概要 】
■戦後〜1950年代にかけてのモーターサイクル史にその名を残すVINCENT、その後期モデルをモデル化しました。
■ホワイトメタルパーツ、メタル挽き物パーツ、エッチングパーツ、ゴムパーツ、シルク印刷デカール等をふんだんに使用したマルチマテリアルキットです。
■チェーンはエッチングとメタルパーツを使用した組み立て可動式。
■ホイールは、メタルリムに加工済みステンレススポーク、ステンレスパイプを組み合わせる構成でリアルに再現。
■ラパイドをハイパワー化したことでブレーキドラムにも強化タイプの冷却フィン付きが装備されており、この部分をエッチングとメタルパーツの組み合わせで再現しました。
■初期モデルとは異なるタンクのマークやエンブレム、車体の社名ロゴも”VINCENT”の刻印である点も忠実に再現しました。
■高級感を備えたVINCENTの雰囲気を表現するため、各部にメッキ済みパーツを用意しました。
■ヘッドライトやスピードメーターにはシャープな仕上がりを味わえるメタル挽き物パーツを用意しました。
【 バリエーション 】
K621●Ver.A : Black Shadow 1950
イギリス製モーターサイクルの頂点として揺るぎない地位を確立したブラックシャドウのなかで、そのスタイリングとして世界的に最も良く知られることとなったこのシリーズCのモデルをキット化しました。
特徴的なフロントフォーク周辺は新設計のパーツで、タンクやフレームのエンブレムを含めたデカールも専用となっており、エンジンやステップのゴムに至るまで車体各部のロゴも新規パーツで再現しています。