Model Factory Hiro【K-855】1/12scale BT55 Fulldetail Kit [K-855]

Model Factory Hiro【K-855】1/12scale BT55 Fulldetail Kit [K-855]

販売価格: 90,200円(税込)

【2025年6月20日 入荷商品】

[ キット概要 -Kit Details- ]

■レジン、ホワイトメタル、エッチング、シルクスクリーン印刷デカール、ゴムパーツ、アルミ挽き物、各種コード類等をふんだんに使用したマルチマテリアル・キットです。
■E.デ・アンジェリスにとって最後のF1レースとなった1986年第4戦、モナコGP仕様をモデル化しました。デカールはR.パトレーゼとE.デ・アンジェリス、2台の選択式。
■ホイールリム、メインメーター、リアダンパー下部、ホイールシャフト・ナットはアルミ挽き物製。
■ECU(エンジンコントロールユニット)パーツは3Dプリント樹脂製で内部ディテールも再現。
■各種パイピング、チューブ、耐熱シート等、マルチマテリアルでパーツ化し、リアルさを追求しました。
■ボディカウルとノーズは車体から脱着が可能。完成後も内部構造を見ることができます。
■スポンサーロゴデカールの他に、モノコック等に使用するカーボン・ケブラーデカールを同梱。
■ゴム製タイヤはメーカーロゴ印刷済。


●K855 - 1/12scale Fulldetail Kit : BT55
 1986 Rd.4 Monaco GP
 #7 Riccardo Patrese / #8 Elio de Angelis


*(現在企画中ですので、発売時期・価格・仕様・構成が変更になる場合があります。 / CG画像はイメージです。必ずしもキット内容と合致するとは限りません。)
*(Product is currently still in design phase: release date/price/instructions for construction/build may be altered for official release. / Images based off CG captures may not accurately reflect that of the final product.)


[ 2025年6月発売 / June 2025 released ]




[ BT55について -About the BT55- ]

ゴードン・マーレイ ―― 後に天才・奇才と評されるF1デザイナーは、1969年、故郷南アフリカから単身イギリスに渡りブラバムにて職を得、その才能をグランプリにおいて遺憾なく発揮することになります。ブラバム時代のマーレイが設計したマシンは常にレギュレーションの隙間を狙った革新的アイデアが盛り込まれていました。"表面冷却"BT46、"Fan car"BT46B、走行中に車高を下降させるBT49、給油前提小型燃料タンク搭載のBT52..
そして、先進と革新でグランプリを闘い続けてきたマーレイにとって、迎えた1986年は、新たな理想形を現出すべく乗り越えるべき課題がいくつかあるシーズンでした。時代はターボ全盛となり、パワーが何より重要なファクターとなっていく中、ライバル勢よりもやや非力なBMWエンジン、そして83年からのフラットボトム規制を超えてダウンフォースを得る為の車体デザインの必要性、それまでのエースドライバー N.ピケの移籍.. マーレイがそこから導き出した答え ―― それは、"ロー・ライン・フォルム"。マシンを極限まで低く抑え、大型リアウイングに強いダウンフォースを発生させるコンセプトでした。そのために、BMWエンジンは72度傾け全高を低く抑え、ボディサイドはドライバーの肩より低くなり、エンジンに合わせたギヤボックスも新造することになりました。風防実験を通して手ごたえを感じたマーレイとチーム首脳陣は、この極限まで研ぎ澄まされたコンセプトとボディシェイプを纏ったニューマシン、"BT55"を1986年開幕の地、リオデジャネイロのジャカレパグアへ送り出したのでした。
しかし、"理想形"であったはずのマシンは、走行を重ねる度に問題が頻出する事態になります。傾けたエンジンによるオイルの潤滑不良問題、前年から採用されたピレリタイヤとのマッチング不足、長いホイールベースによる回頭性低下、ギヤボックスの信頼性不足..BT55は、その低重心故にストレートやコーナーで一定の速さを見せるものの、これらの問題点からトータルでのラップタイムを稼ぐことはできませんでした。さらに、シーズン半ばにしてチームに悲劇が襲います。5月のテストにおいて、ドライバーのエリオ・デ・アンジェリスが亡くなるという出来事に見舞われます。その後、デ・アンジェリスの代役として、デレック・ワーウィックがリカルド・パトレーゼとタッグを組んで残りの86年シーズンを闘うことになります。
BT55は、その成績故、シーズン中に大小さまざまな改変が行われました。開幕戦ではエンジンファンネルとチャンバーを低く抑えリアカウル内に収めるデザインで、そこから2戦目以降チャンバーがリアカウルから露出する高さに改められ、4戦目モナコでは重量配分改善のため左クーラーとターボが後方へ下がり、サイドポンツーン上のダクトも位置が下がりました。その後もサイドポンツーン前部やリアカウルの形状変更等、試行錯誤が最後まで繰り返され、86年シーズンを終えることになります。
BT55は、後年、そのラジカルすぎる設計思想から、"コンセプト先行の失敗作"と揶揄されることがあります。しかし、そう一言で片付けて良いマシンだったのでしょうか。多くの人々の記憶に残るその美しいフォルム、野心と想像力と理想への探求心が形となってレーシングマシンへと結実していた時代の名残..BT55は、語り継ぐべき物語を持ったF1マシンと言えるのではないでしょうか。そして、このマシンに纏わる物語は、続きがあるのです。
1986年シーズンから2年後、ブラバムから移籍したマーレイとマクラーレン設計陣が生み出したマシン、MP4/4は、F1史に残る偉業を成し遂げることになります。そこでチャンピオンを獲得した、時代を代表する"最強のマシン"こそは、マーレイが理想とした"ロー・ライン・フォルム"のコンセプトが正しく機能し、その思考の出発点たるBT55を礎として生まれたマシンの姿だったのです。



Model Factory Hiro【K-855】1/12scale BT55 Fulldetail Kit [K-855]

販売価格: 90,200円(税込)